とびら
団塊の世代のなかで
倉石 健二
1
1上三川病院リハビリテーションセンター
pp.635
発行日 1998年9月15日
Published Date 1998/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105124
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ある先輩が本誌の「とびら」欄に執筆を依頼されることは一人前のPTになったことの証であるといっているのを聞いたときは,本当かな,ただ年を重ね苔むしたPTに最後の餞(はなむけ)を贈るための欄では,と考えたものです.私たちがPTとして医療の世界に入ったのは70年代前半であり,日本経済は右肩上がりの成長を続けていて給与は毎年30%前後上がりました.80年代のバブル経済に向かって,ひたすら走り続けていた時代です.
その後89年にバブルが弾けて経済成長が鈍化するようになると,一般社会は,私たちを団塊の世代としてひとまとめにし,社会における特異な集団として扱うようになりました.80年代の情報通信の飛躍的な進歩により,パソコンを始めとする種々の電子機器が開発されると,私たちは,コピーの拡大縮小もできない,ワープロできない,パソコンできない世代として,社会に認識されることになりました.迫り来る少子高齢化社会に対しては,年金制度を根底から覆す集団として恐れられています.
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