特集 動作分析
EOI(essences of the issue)
pp.227
発行日 1998年4月15日
Published Date 1998/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105042
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
広辞苑によれば,①観察とは通常は現象に人為的干渉を加えないで,現象がどのようであるか,どのように生起するかという事実を確かめること,②解析とは物事をこまかく解き開き,理論に基づいて研究すること,③分析とはある物事を分解して,それを成立させているもろもろの成分・要素・側面を明らかにすること,である.この説明によると,動作分析とは単に観察したものを成分的に小分けにして表現するのみではなく,一歩踏み込んで原因分析的に取り組む積極的行為であると思われる.動作観察や動作解析とは異なる内容をもつ.臨床的推論(clinical reasoning)は単にいくつかの動作を観察した中から推論していくのではなく,いくつかの手続きによって可能な限り理由づけを明確にしていかなければならない.そのことによって,自ずと理学療法アプローチが見えてくるものと思われる.つまり,その目的は究極的に治療に結びつくものである.しかし,その結果は必ずしも還元主義的な運動療法の展開を意味するものではない.そのような視点で動作分析を捉え,臨床に生かせるように具体的に論じていただいた.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.