特集 高次脳機能障害をもつ患者の理学療法
essences of the issue
pp.605
発行日 1996年9月15日
Published Date 1996/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104591
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高次脳機能障害に関する報告も最近はずいぶん増加しているようだが,多くは机上検査の段階にとどまって,運動学的評価も治療方法の検討も報告は皆無といえる.その状況で治療技術論を展開するのは学術的にはまだ非常に困難な段階かもしれないのだが,しかし現実に臨床の場面ではこの種の障害を持つ患者が多数存在し,各医療機関でアプローチが試行錯誤されている.試行錯誤や暗中模索はまだよいが,患者が“neglect”されてしまう状況だけは避けたい.今の段階で治療論を展開しても,他の専門領域の人々から非科学的と批判されることもあり得るが,患者を無視・放置・排斥される危険から救い出すことが先決と考え,敢えて記述を試みていただくことにした運動療法の領域でも評価法と治療法を確立させる一石となれば幸いである.
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