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論文投稿の意味
論文投稿とは,研究成果を論文としてまとめ,その採択の可否が審査(査読)される学術誌に投稿することである.しかし,これは一口で言えるほどたやすいものではない.投稿して採択されるためには,医学研究の倫理を遵守したうえで研究計画を立てる必要がある.十分な信頼性や妥当性のある結果が得られるようにデザインを組み,研究成果をその分野の一般読者がわかるようにまとめる必要がある.投稿された論文は査読を通して専門家から厳しいチェックを受け,たとえ採択が決まっても部分的修正が求められ,体裁(内容および構成)が整った段階でやっと学術誌に掲載される.しかし,ここですべてが終わるわけではない.論文は多くの第三者の目に触れ,時として批判を受け,もしそれが重要と判断されることがあれば追試される.そして,その再現性が確認されると,他の研究者からも参照され,場合によってはその仮説が学説にまで発展するといった極めて重大なことになる.
1.理学療法士の研究意欲
2004年5月に第39回日本理学療法学術大会(以下,全国PT学会)が開催され,一般演題はなんと1,059題であった.最近4年間の一般演題数は800程度であったが,一挙に1,000を突破した(表).これは学会開催関係者の努力があったにせよ,今回は一般演題の口述発表をやめ,すべてをポスター発表に切り替えたことで,その手軽さが若い理学療法士の発表意欲をかき立てたともいえる.他の関連学会で理学療法士が発表する数を加えると,1年間に驚くほど多くの演題が発表されている.この事実は理学療法界に,極めて旺盛な好奇心と探求心,つまり研究意欲にあふれる若い理学療法士が存在していることを物語っている.
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