二級臨床病理技術士実技試験のポイント
臨床化学
高木 康
1
1昭和大学医学部臨床病理学教室
pp.684-685
発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906247
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Ⅰ.ある年度の問題と評価表
ある年度の課題は「血糖測定」であり,評価は「A.基本操作」と「B.定量操作」,そして血糖測定に関する「C.基本的知識」について行われた.「A.基本操作」の評価項目と評価基準を表1に示した.「1.実験計画と準備」はいかなる実験あるいは日常の検査においても重要であり,実験器具・試薬の確認や時間を含めた手順を明確にしておくことは臨床化学ばかりでなく,他の科目においても必要である.
試験時間は課題の「血糖測定」を行うには十分であり,まず10分程度を費やして,配布の試薬や器具類をチェックして,実験計画を立てる.この時には反応時間を利用して行える事項なども十分に考察して計画を立てることが大切である.「2.ピペットの取り扱い」,あるいは「3.分光光度計の取り扱い」は臨床化学検査を行ううえでの基本である.ピペットの先端を拭き取ったり,垂直に立てての操作,あるいはメニスカスの合わせかたなどは基本中の基本であり,必ず習得していなければならない手技である.また,分光光度計操作における測定波長の設定,セルブランクチェックなどは自動分析装置によりボタンを押せばよい現実からすると手慣れていないが,分光光度計の操作は臨床化学定量検査の基本であり,これらのチェックポイントに対する正確な実技操作を身に付けることが正確な定量操作を行ううえでは極めて重要となる.
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