病気のはなし
急速進行性腎炎症候群
山縣 邦弘
1
,
小山 哲夫
1
1筑波大学臨床医学系内科
pp.100-105
発行日 2002年2月1日
Published Date 2002/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906112
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新しい知見
急速進行性糸球体腎炎(rapidly progressive glomerulonephritis;RPGN)の主要原疾患である半月体形成性腎炎は,腎生検組織の蛍光抗体法直接法所見から①免疫グロブリンの線状沈着を示す抗糸球体基底膜抗体型(図1-a),②顆粒状沈着を示す免疫複合体型(図1-b),③免疫グロブリンの沈着を認めないpauci-immune型に分類される.従来この3病型はほぼ均等に見いだされると考えられてきたが,1989年以降のわが国のRPGN症例を集計したところ,抗糸球体基底膜抗体型9.8%,免疫複合体型6.6%,pauci-immune型77.3%で圧倒的にpauci-immune型のRPGNが多いことがわかった.しかもこのpauci-immune型の大半が抗好中球細胞質抗体陽性(図1-c,d)で高齢者に好発することが明らかとなった.
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