増刊号 緊急検査実践マニュアル
各論
2.血液検査
1)血球計数検査 a)赤血球数,ヘモグロビン量,赤血球恒数 臨床編
渡辺 清明
1
1慶應義塾大学医学部中央臨床検査部
pp.765-767
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903852
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検査の目的
通常,赤血球検査といえば,赤血球数,ヘモグロビン量,ヘマトクリット値,平均赤血球容積(mean corpuscular volume;MCV),平均赤血球ヘモグロビン量(mean corpuscular hemoglobin;MCH),平均赤血球ヘモグロビン濃度(mean corpuscular hemoglobin concentration;MCHC)が挙げられる.しかし,このうち特に重要なのはヘモグロビン量とMCVである.救急患者で赤血球系の検査をするのは一般的であり,極端にいえばどんな患者でも赤血球系の検査をすることが多い.
検査の目的としては貧血の有無をみるのが一番である.特に外傷による出血や胃潰瘍などによる消化管出血などの急性出血時には大事な検査となる.急性の大量出血の際はショックになり,輸血の適応となるが,その際の貧血の程度を知るうえでも重要となる.
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