技術講座 一般
尿中良性異型細胞の見かた・考えかた
西 国広
1
,
藤 利夫
2
1国立療養所南福岡病院臨床検査科
2国立病院九州がんセンター臨床検査部
pp.655-663
発行日 1997年7月1日
Published Date 1997/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903180
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新しい知見
尿沈渣における上皮細胞分類には形態学的分類(円形上皮・紡錘形上皮など)と組織学的分類(移行上皮・扁平上皮など)があり,以前は形態学的分類が一般化されていた.しかし,超生体染色,例えばステルンハイマー・マルビン染色やステルンハイマー染色変法の普及により詳細な形態学的観察が可能となり,(社)日本臨床衛生検査技師会より尿沈渣の標準化を目的とした「尿沈渣検査法」が出版され(1991年),これをもとに日本臨床検査標準協議会(JCCLS)より尿沈渣標準法として指針提案(GP1-P2)が出された(1995年).
標準法を目指した上皮細胞分類における異型細胞の取り扱いについては論議中であるが,的確な報告を出すには異型細胞をできるだけ“良性異型・悪性異型”に分けて判定を考慮することが,より価値のある尿沈渣情報を臨床サイドに提供することにつながる.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.