検査法の基礎検討のしかた 血液検査・1
総論:凝固・線溶検査の検討のポイントとルーチン化の留意点
鈴木 節子
1
1横須賀共済病院中央検査科
pp.183-186
発行日 1997年2月1日
Published Date 1997/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903000
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検査法の基礎検討は,臨床検査として医療に役だたせるのを目的に行うものであるから,基本的な手順はデミング・サークル(PDCA)の原理に基づき,目的達成に向けて“P:PLAN・計画,D:DO・実施,C:CHECK・観察,A:ACTION・修正”を繰り返し行い,より目的に沿うものを構築または提言することであると考える(図).
検討内容は目的により2つに分けられる.1つは研究機関などにおける検査方法の開発を目的とする場合で,もっぱら測定のプロセスを追求する測定方法の構築作業である.もう1つは医療機関などにおいて既存の検査方法の導入を目的とする場合であり,施設における医療活動への適用性の確認,適用方法の構築作業である.前者と後者の大きな違いは,前者では,医療へのニーズに適合することが開発条件に加味されることが望ましいが,まず測定できるようにすることを優先し,次の工程で開発されたものが医療に有効か否かを検討するサークルであり,後者は,医療で有効に役だたせるために,どう利用し,応用するかを検討するサークルである.ことに後者は,医療のニーズを理解している臨床検査技師の技能の発揮どころである.
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