技術講座 一般
尿保存法の実際
島田 勇
1
1自治医科大学附属病院臨床病理部
pp.415-420
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902390
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新しい知見
尿中低分子蛋白や尿中酵素類の日常検査への導入によって,尿検査の診断的価値が高まってきている.これらの各成分を尿という不安定な環境の中で,採尿から検査開始まで変性させないで保存することは極めて重要なことである.
尿細管障害の指標となるβ2-マイクログロブリンは酸性尿で速やかに分解する.また,各種腎疾患および薬物による腎障害の病態把握のパラメーターとなるγ-GTPは-20℃による凍結保存では著しい活性低下を起こすことが知られている.尿の保存法は従来からの蓄尿の防腐から,微量かつ重要成分の安定化保持が重要となってきている.
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