検査ファイル
項目●CA72-4
小西 二三男
1
,
小西 奎子
2
1金沢医科大学第一病理
2国立金沢病院研究検査科
pp.955-957
発行日 1991年10月1日
Published Date 1991/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900841
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[1]腫瘍マーカーの概要とCA72-4
腫瘍マーカーは,腫瘍細胞が産生する物質を細胞,血液,分泌液あるいは排泄液の材料で検出測定し,腫瘍の診断や経過観察に利用するものである.しかし,癌細胞だけに特異的に存在する物質の検出測定は,まだ実用段階に到達していない.現在普及している腫瘍マーカーのほとんどは癌関連物質であり,癌細胞だけに存在するものではなく,癌細胞が異常に多く産生する物質を測定し,臨床に応用している.これらの物質はホルモン,蛋白,酵素など多種類にわたり,測定法もさまざまである.免疫測定法はモノクローナル抗体の開発で測定感度が飛躍的に向上し,細胞膜結合糖蛋白を抗原として,多くの腫瘍マーカーが研究作製されてきた.
癌関連抗原(cancer associated antigen)の多くにCAシリーズの名称がつけられているが,使用した抗原や作製過程は異なり,まだエピトープの未決定のものもあるが,血液型糖鎖関連ファミリーに属するものでは,エピトープの糖鎖構造と合成経路がよく解析されている.
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