検査法の基礎
細菌分類学の基礎(1)
藪内 英子
1
1大阪市立大学医学部細菌学教室
pp.115-118
発行日 1991年2月1日
Published Date 1991/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900512
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サマリー
細菌分類学は単なる分類(classification)の学問であると考えられがちであるが,実際には最新の科学情報と手技を取り入れた複数の分野から成る.実用面では菌名の変更を煩わしく思ったり,感染症の診断に患者血清の抗体価上昇の有無を過大に評価する傾向もある.学会発表や論文での菌名の誤り,不当な省略名,命名上の基準株と単なる標準株との混同など,医学分野で細菌を扱う人が細菌分類学の基礎になじんでいないと痛感させられることがしばしばある,分離菌株の同定は臨床細菌検査の業務の中で,薬剤感受性試験と並んで必須の重要事である.この同定作業を完遂しその成果を発表するとき,細菌分類学の基礎知識の有無がその労作の評価を左右することさえある.分類学と検査法とは無縁であると思うのは誤りである.
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