技術講座 微生物
抗酸菌検査
𠮷田 志緒美
1
1独立行政法人国立病院機構近畿中央呼吸器センター臨床研究センター感染症研究部
pp.700-708
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208046
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Point
●抗酸菌属は生体内でしか生存できないMycobacterium tuberculosisとらい菌,環境に常在する非結核性抗酸菌(NTM)の総称であり,これらによる感染症を抗酸菌症といいます.
●M. tuberculosisを対象とした場合,患者から提出された臨床材料からM. tuberculosis遺伝子が一度でも検出されれば肺結核と診断できますが,NTM症では,複数の検体からのNTMの検出が確定診断上必要です.
●抗酸菌検査は,患者の管理や治療方針に直結するため,迅速性とともに高い精度が求められます.
●抗酸菌検査は,検査材料のチェックから始まり,菌体の確認および分離,菌種の同定,薬剤感受性の測定,薬剤耐性遺伝子の変異確認に至るまで,多岐にわたります.
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