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あとがき・次号予告
谷口 智也
pp.852
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207636
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GW中にこの原稿を書いています.“五月病”という言葉は1960年代に使われ始めたようですが,もちろん正式な病名ではありません.学校や会社に行きたくない,なんとなく体調が悪い,授業や仕事にやる気が出ないなどの状態を総称して呼ばれています.特に大型連休や夏休み明けなどに起こりやすく,また近年では“6月病”も増えているので,5月に限ったことではなくなっています.医学的には,適応障害,うつ病,パーソナリティー障害,発達障害,パニック障害,不眠症などと診断され,その対策もさまざまです.
一方,内閣府の発表によると40〜64歳の中高年の引きこもりが61万人,実際には100万人を超えているとも推測され,青少年・若年層を上回る驚きの調査結果となりました.今回あらためて“8050問題”が浮き彫りとなり,深刻な社会問題となっています.このように精神疾患や心の問題は,これまで科学的なアプローチや研究,対策が遅れていた分野といえます.
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