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あとがき・次号予告
種村 正
pp.606
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207225
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新緑の季節となりました.初々しい新人たちが一生懸命に仕事を覚えようとする姿は微笑ましいものです.私にもそんなときがあったのだなぁと数十年前を思い出します(笑).最近,ビックデータという言葉を耳にするようになりました.ビックデータとは,従来のデータベース管理システムでは記録や保管,解析が難しい巨大なデータ群のことを指します.いままでは管理しきれず見過ごされてきたデータ群を記録・保管して即座に解析することで,ビジネスや社会に有用な知見を得たり,これまでにない新たな仕組みを生み出したりするものとされ,医療分野では画像診断への応用が期待されています.今年に入って,国立情報学研究所に医療ビッグデータ研究センターが新設されました.2018年度は日本消化器内視鏡学会,日本病理学会,日本医学放射線学会が匿名化した画像データの登録を開始し,今後,連携する学会を増やしていくそうです.医療ビックデータを活用した人工知能(AI)によって画像診断が大きく変わっていくことが予見されます.私は30年以上も心エコーを行ってきましたが,たくさんの症例を経験して覚えていくことは王道だと思っています.しかし,新人たちがこれから10年,20年と活躍していくには,医療ビックデータを使いこなすことが必須となるでしょう.第4次産業革命時代の到来を感じます.
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