けんさ質問箱
ブロメリン法,間接抗グロブリン試験法の意味
小松 文夫
1
,
M子
1東京医科歯科大輸血部
pp.204-205
発行日 1989年2月1日
Published Date 1989/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204878
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問 通常,交差適合試験では,生食法→ブロメリン法,アルブミン法→間接クームス法を実施するように提唱されていますが,それぞれの方法を行う臨床的意義は何なのでしょうか.また,この場合,間接クームス法の結果(+,-)で輸血ができる,できないの判定をしてしまいがちですが,それでよいのでしようか.もしよいのだとすると,ブロメリン法,アルブミン法の実施・判定は意味のないものに思われるのですが.(神奈川県・M子)
答 交差適合試験の意味は,輸血によって生体内で血球破壊を引き起こす可能性のあるすべての抗体をチェックすることにあるので,これらの抗体をチェックしうる方法として,もっとも感度のよい方法を行うのでなければなりません.赤血球抗体には種々の抗体があり,抗体によってはその反応の特性がかなり異なる場合があり,そのため,一つの方法で抗体をチェックしようとすることは不可能になるわけです.通常の交差適合試験は,食塩液法,酵素法(主としてブロメリン法),それに間接抗グロブリン試験法(以下,クームス法と略す)を併用して行い,それに施設によっては血清法(アルブミン法)も行っているでしょうが,これらは上記のすべての抗体をチェックするという目的で行っているわけです.このうちでもっとも感度のよい方法といえば,クームス法といえるでしょう.したがって,クームス法さえ行えば十分ではないかとの意見は当然出てきます.
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