技術講座 細菌
Nocardiaの分離と同定
新井 正
1
1千葉大学生物活性研究所抗生物質部
pp.549-554
発行日 1978年7月1日
Published Date 1978/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201654
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ノカルジア(Nocardia)は放線菌類(Actinomycetes)に属する細菌で,分裂菌(Schizomycetes)に属するが,菌糸(mycelium)を形成することや,ノカルジア症(Nocardiosis)の病理が真菌症のそれと類似するために,慣例的に医真菌学の分野で取り扱われてきた.
ノカルジア症は皮下組織の慢性の化膿性,肉芽性疾患で局所の膨張,腫瘍ならびに排膿する多数の瘻孔を形成する.膿及び排出液中に菌塊(顆粒,grain,granule,Druseなどと呼ばれる)が見いだされることが特徴である.また肺に原発するノカルジア症も報告されている.肺ノカルジア症においても皮下組織をはじめ脳,脳膜あるいはほかの臓器に転移することもある.
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