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臨床検査技師学校・養成所卒業者の就職先
井ケ田 勝弘
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1厚生省医務局医事課
pp.40
発行日 1974年2月1日
Published Date 1974/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200370
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学校にはいる目的は,各人によってそれぞれ異なるのはもちろんであるが,一般に高校卒業後の大学あるいは職業専門校への入学者の場合は,自分の進路を決めてはいってくるので,卒業後の就職先もそれに合ったものになってくるのは当然のことであろう.この論理から言えば,臨床検査技師学校・養成所(以下"養成施設"と略す)の卒業者は,病院や診療所といった医療機関への就職が最終的な目標と言ってよいであろう.現にある調査によれば,養成施設卒業者の90%強が医療機関であり,他の10%弱が衛生行政部局や企業内の試験研究所,あるいは衛生検査所などとなっているところからみてもうなずけるところである.
養成施設卒業者の大部分が医療機関に就職ということから,問題をしぼってみると,養成施設の設置主体によって,各人の進路に若干の差が出てくるのがわかる.つまり,通称"自家養成"と呼ばれるように養成施設と直接に関係のある医療機関,たとえば大学医学部附属の養成施設であるならば,卒業後は当該大学医学部附属病院で,あるいは公立の養成施設であるならば当該公立と直結する医療機関で働いてくれることが期待されて入学許可されているからであり,またそれに応じた努力が受け入れ側によってなされているからである.教育研究を主たる目的とする大学病院と,地域医療をになう公立病院では扱う症例からみて違いがあるし,配属された場所によって,研究職か医療かという違いも出てくるという意味で言ったつもりであるが,もちろん各人には職場を選ぶ自由もあることであり,全部についてあてはまることではない.
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