技術講座 生化学
生化学検査と誤差・1
大場 操児
1
1順大病院中検
pp.58-59
発行日 1973年6月1日
Published Date 1973/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200173
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臨床検査室は正しい検査成績をできるだけ迅速に返却するための努力をはらうのが,正しい運営のしかたといえよう.その目的のために,いろいろな職場の人たちが,それぞれの職場で協力してくれている.そして,それぞれの職場は精密な歯車のようにかみ合っており,ちょっとした故障でも回転が悪くなり,当初の目的は達せられなくなってしまう,1か所の故障が全体に影響し,中検の機能どころではなくなってしまうこともある.また検査室が検体の流れを,あるいは検査の流れを中断してしまえば診断全体に支障をきたすわけで責任は大きい.
総タンパク質だけ測定するにも患者から提出される検体は,図1のごとく医務課,診療科,中検などが関与している.各パートで,ただ1人だけの経由でも11人がなんらかの形で検体にタッチしている.検体の流れを正しくよくするためには,バトンタッチの巧拙が問題となる,実際には,5種目以上の検査を依頼されることが多いので15人以上の入が協力していることとなる.したがって1人の不注意は,ただちに測定値に影響を与えることとなり,他の14人の努力が報われないことになる.
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