増刊号 これから広がる生理検査・新たにはじまる生理検査
C 血管エコー法
7. 血管内皮機能検査法
宮本 宣友
1
,
岩井 愛雄
1
,
橋本 正良
1
1神戸大学大学院医学系研究科総合診療内科学
pp.1019-1022
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102211
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はじめに
血管内皮は血管壁の内張りをしている一層の血管内皮細胞群で構成され,血液成分の血管壁への侵入を防ぐバリア機能,血小板凝集抑制,細胞接着抑制に加えて,ずり応力などの物理的刺激や種々の血管作動物質による化学的刺激に反応して,NO(一酸化窒素)を代表とするさまざまな血管作動物質を産生,放出し血管のトーヌスの調節を行っている.
それらの血管内皮の機能が障害されることが,動脈硬化が進展するプロセスの初期から深くかかわっていると考えられ1),血管内皮の機能評価を通じて,動脈硬化度を早期から評価するとともに,動脈硬化性疾患の治療に対する評価や予後を予測する因子としても応用されるようになっている.本稿では,いくつかある血管内皮機能の評価法のなかから血管エコーを用いた評価法を紹介する.
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