Laboratory Practice 〈臨床生理●脳波検査のステップアップ・5〉
脳波信号と雑音―ハム混入の少ないきれいな記録を得るために
橋本 修治
1
1天理よろづ相談所病院白川分院
pp.340-343
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102051
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はじめに
脳波信号は50μV程度の小さな電気信号であり,これを大きく増幅して記録している.このため脳波記録には雑多な雑音が混入してくる.脳波記録に混入するノイズやアーチファクトの種類は多いが,そのなかで最も頻繁に遭遇し対応に苦慮するのが商用電源に由来するハムであろう.ハムは患者が安静にし,周囲にノイズ源となるものが見当たらない環境でも混入してくる.各種雑音については,最近,石山1)が優れた総説を発表しているので,本稿ではさまざまな雑音を網羅的に解説することは行わず,主要な雑音であるハムについて解説したい.ハムを低減させる有効な方法は,主として電極の接触抵抗を下げることにあることを確認したいと思う.
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