臨床医からの質問に答える
基準範囲の決め方
細萱 茂実
1
1山梨大学医学部附属病院検査部
pp.151-155
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102001
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はじめに
基準範囲は検査成績を臨床的に解釈する際の基本的尺度の一つで,健常者がとりうる測定値の大部分を含む範囲を意味する.基準範囲の設定法としてCLSI〔Clinical and Laboratory Standards Institute(旧称:NCCLS,米国臨床検査標準協議会)〕の指針が提示され,国際的に基準範囲に対する考え方が明確となった.ただし,基準標本群の抽出や,標本に含まれる外れ値の除外法,また用いる統計手法の選択など,詳細についてはいまだ不明瞭な部分も残されている.
臨床検査の標準化が進み,測定値の施設間差が是正されつつある今日,検査値判読の物差しとなる基準範囲が施設によって異なる状況は早急に解決すべき課題である.
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