私の必要な検査/要らない検査
免疫血清検査―臨床医の立場から
佐々木 毅
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1東北大学大学院医学系研究科医科学専攻免疫血液病制御学分野
pp.739-742
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101495
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少なくとも保険適用とされる検査では意義のない検査はないはずである.もっとも,ある検査というものはその情報が適切に病態を反映する場合には必要な検査であり,それ以外の局面では要らない検査となる.ここで,要らない検査というのは,実は本人がその検査の有用性をあまり認識していないことに起因する可能性もあることに留意すべきであろう〔例えばSAA(serum amyloid A protein,血清アミロイドA蛋白質)検査を初めに紹介されたときには,既にCRP(C reactive protein,C反応性蛋白質),赤沈値が広く用いられており,SAAは要らない検査のように思えた.それが貴重な検査と位置付けられてくるようになったのはその後の知見の集積による〕.したがって要らない検査と断定することは例外を除き難しいと思われる.
本稿ではこのような要らない検査については,不適切な検査適応の場合が中心に取り上げられることとなる.
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