わかりやすい学会スライドの作りかた 各論・6
免疫血清
加藤 亮二
1
1信州大学医療技術短期大学部
pp.584-585
発行日 1994年7月1日
Published Date 1994/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902067
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最近の学会は演題数が多く,口演時間が短い.したがって,会の円滑な運営には一定の約束事を参加者が守る必要があり,なかでも演者と質問者が決められた時間内にわかりやすく,かつ簡潔に述べることが重要である.
臨床検査学会や臨床病理学会における免疫血清部門の発表例をみると検査試薬の評価や改良に関することが多く,再現性,妨害物質の影響,回収率試験,健常値,測定感度,相関,臨床データなどの内容が報告されている.研究対象としては血漿蛋白,ホルモン,腫瘍マーカー,HCVを主とするウイルス関係,細菌感染症,STD感染症,自己免疫疾患,アレルギー疾患などであるが,これらは時代の変遷でブームがあり,年とともに変化していく.発表では演説が主役,スライドはあくまで脇役である.最近,パソコンを利用したカラフルなスライドが多くなり,聴衆を楽しませてくれるが,演説内容よりスライド勝負の考えは邪道であり,スライドはあくまで主役を引き立てる手段であることを忘れてはならない.免疫血清部門での研究発表の中身は幅広く,定量検査以外に電気泳動,蛍光抗体法,遺伝子検査法なども存在する.これらに関するすべてのスライド作製の解説は誌面の都合で割愛するが,免疫血清部門において筆者が日ごろ注意している点と新しい測定法を構築する場合における発表方法を架空例として示す.なお,スライド作製における基本的な詳細は本誌1月号に記載されているので参照されたい.
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