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【問題1】 解答:(5),【問題2】 解答:(5)
解説:プロトロンビン時間(prothrombin time,PT)は被検血漿にCa2+と組織トロンボプラスチンを加えてフィブリンが形成されるまでの時間を測定する外因系凝固因子活性のスクリーニング検査で,フィブリノゲン(Ⅰ),プロトロンビン(Ⅱ),Ⅴ,Ⅶ,Ⅹ因子の凝固活性の影響を受ける.PTの値は試薬間,ロット間,機種間に差があるため施設間のデータは比較できない.そこで,PT試薬の一次国際標準品を定め,各種の試薬のロットごとにその標準品に対する力価の係数(international sensitivity index,ISI)を設定し,その値で被検血漿の対照との比(prothrombin ratio,PR)を補正する方法がPT-INR(international normalized ratio)である(INR=PRISI).一方,活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time,APTT)は被検血漿にCa2+とリン脂質,さらにカオリンなどの接触因子活性化剤を添加し,フィブリンが形成されるまでの時間を測定する内因系凝固因子活性(Ⅰ,Ⅱ,Ⅴ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ,ⅩⅠ,ⅩⅡ)のスクリーニング検査である.
APTTとPTとの著明な延長がみられた場合,(1)点滴ラインからの採血や部分的に凝固したサンプルなどの血液採取時の問題(分析前誤差),(2)播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation,DIC)や肝硬変,劇症肝炎などの高度肝傷害,(3)循環抗凝血素などの凝固インヒビターの存在,(4)ヘパリンやワルファリンなど抗凝固剤の投与(ワルファリンは主にPT延長を,ヘパリンは主にAPTT延長をきたす),(5)ビタミンK欠乏,(6)APTT,PTに共通するⅩ,Ⅴ因子,プロトロンビン(Ⅱ),フィブリノゲン(Ⅰ)の先天性凝固因子欠損症,などが考えられる.
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