増刊号 細胞像の見かた―病理・血液・尿沈渣
第2章 血液 骨髄塗抹標本の見かた
7.FAB分類
2)MDSに見られる形態異常―(1)顆粒球系の異常
西村 敏治
1
1NTT東日本関東病院臨床検査部
pp.1158-1160
発行日 2004年9月15日
Published Date 2004/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100811
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形態学的所見(図1,2)
骨髄は正形成,赤芽球系の細胞が乏しく多くは顆粒系の細胞である.円形核の細胞が多数見られ桿状核球や分葉核球は少数で,顆粒球系の成熟抑制と判断される.形態的には(核)クロマチンが強く濃縮した細胞や核形の異常がある.また,顆粒形成が減少した成熟細胞も見られる.
このような形態学的所見を呈する疾患
骨髄が正形成ないし過形成で明らかな形態異常を呈する代表的疾患は骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome,MDS)である.MDSは最も未分化な造血細胞である多能性造血幹細胞の異常による後天的な造血異常である.骨髄あるいは末梢血には細胞の量的異常や質的異常が見られる1).
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