検査じょうほう室 生化学:おさえておきたい生化学の知識
尿アルブミンの保存容器への非特異吸着とその解決への試み
原 文子
1
,
芝 紀代子
2
1群馬大学医学保健学科検査技術科専攻基礎検査学講座
2東京医科歯科大学大学院保健衛生研究科
pp.654-656
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100683
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
尿中微量蛋白質は糖尿病性腎症の早期診断や病態の把握,指標として日常検査で測定されるようになった.また,保存条件により測定値が影響を受け,短期間であれば4°C,長期にわたる場合は,-80°Cが安定であることも知られている.これまでわれわれは尿中微量アルブミンを中心に,保存条件による保存用チューブ内面への吸着について明らかにし,吸着を回避する手段について開発を進めている研究室やメーカーとも共同研究を進めてきた.
今回,蛋白質無吸着処理,および未処理保存用チューブを用いて,患者尿検体におけるアルブミン量とチューブ内面へのアルブミン吸着量とを比較したところ,蛋白質無吸着処理チューブの効果が特に低濃度において明らかであることが推察されたので紹介する.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.