特集 小児の臨床検査
Ⅴ.先天性代謝異常
B.ハイリスクスクリーニング
北川 照男
1
1日本大学・小児科
pp.1316-1320
発行日 1977年11月1日
Published Date 1977/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914565
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先天性代謝障害症は,その代謝異常によって異常代謝物質が蓄積し,そのためにいろいろな組織に障害を生じ,特に精神神経系の荒廃を来すものが多いので,不可逆性の異常を来す以前に診断し,特定の治療食事や薬物を与え,これを予防し,治療する心要がある.
代謝異常が疑われる症例に遭遇した場合は,いろいろな尿反応を組み合わせて代謝異常をスクリーニングする.これにはBerry1)の原法をもととして作られた試薬セット"ニューウリテストS"があるが,これはあくまでも重要な疾患を見逃さぬようにするためのスクリーニング検査であって,その最終的診断には濾紙クロマトグラフ法,薄層クロマトグラフ法及びそれぞれの疾患の診断に必要な特殊検査を行う必要がある.以下,各スクリーニング検査法の手技や判定法について,簡単に述べる.
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