今月の主題 炎症マーカーとその臨床的意義
病態解説
白血球増加—炎症を中心に
荒木 葉子
1
,
池田 康夫
2
Yoko ARAKI
1
,
Yasuo IKEDA
2
1慶応義塾大学医学部内科
2慶応義塾大学病院輸血センター
pp.155-159
発行日 1988年2月15日
Published Date 1988/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913575
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白血球はさまざまな原因で量的質的変化をおこし疾患の診断,予後の重要な指標となる.白血球増多は,産生,骨髄と末梢血プール間の移動,組織での消費,のバランスの変化によってひきおこされる.代表的な疾患としては,感染症,薬物,炎症,腫瘍,骨髄増殖性疾患などがあげられる.産生に関しては各種のコロニー形成刺激因子が見いだされ,刺激により活性化された単球やリンパ球から出されるインターロイキンなどによって,微妙に調節されていることがわかってきた.また,末梢血の循環プール,辺縁プール,組織間の移動にも,インターフェロン,腫瘍壊死因子,ロイコトリエン,補体因子などが複雑にかかわりあっている.粘着に必要な膜成分も明らかとなった.
好酸球増多症は寄生虫疾患,アレルギー疾患によくみられ,産生,プール間の移動には,好中球とは異なる機構が関係している.
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