総説
血液像の検査
塚田 理康
1
1虎の門病院血液血清検査部
pp.503-508
発行日 1974年5月15日
Published Date 1974/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908532
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血液検査室で行われる検査のうちで,最も重要な検査は血液像の検査であるといっても過言ではないだろう.1枚の標本から赤血球,白血球,血小板の数的異常が推測できるだけでなく,血球1個1個の病的状態が見出されるからである.たとえば血液像検査でアウエル小体を持つ芽球が発見されれば,その他の血液検査成績のいかんにかかわらず急性骨髄性白血病と診断されるし,また奇形赤血球,異形リンパ球,巨大血小板などの出現は血液像検査によってのみ見出される。このようにたいせつな血液像の検査であるが,標本作成の方法,細胞め鑑別点などは各検査室により異なっていて,病院間での症例検討会などで細胞診断に困惑を感じることがある.したがって私も血液像検査の標準化を切望する者の1人である.
血液像検査の問題点については,本誌の特集"血液検査の問題点"の中で伊藤1)により詳しく述べられているので,それらの点につき現在虎の門病院で行っている方法を示しながら,標準化へのアプローチについて私見を述べてみたいと思う.
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