技術解説
緩衝液—その種類と選びかた
長谷川 福市
1
1東京慈恵医大・医化学
pp.141-145
発行日 1972年2月15日
Published Date 1972/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907512
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
臨床検査が普及発展して,医療の大きな分野として定着し,分析機器の発達と相まって,分析方法も固定化しつつある.このような背景のもとにあって,各種試薬類は‘キット’の形で販売されているものが多くなった.このように,仕組まれた一貫作業のみを追っていると,自分のやっている仕事すらわからなくなってしまうであろう.これから述べようとする緩衝液についても同様であって,指示どおりに計量・溶解すればよいようになっている.こうして販売されている緩衝液は,正しいものと信じて疑わない.危険なことである.時々は自分で作って,市販の緩衝液をチェックする姿勢が望ましい.
臨床化学研究を進めるうえで,しばしばpHの恒常性を保つということが重要な問題となる.そのように基本的な事がらである緩衝液について,企画された編集者の意図もそこにあるのではなかろうか.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.