特集 日常検査法—基礎と要点
部門別の基礎技術
Ⅴ.血清学
輸血の検査
徳永 栄一
1
1日赤中央血液センター
pp.1305-1308
発行日 1970年12月1日
Published Date 1970/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907004
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緒言
輸血を行なうときの手順の最初は,患者の血液型の決定である.はじめに,おもて検査とうら検査の両方によるABO式血液型の判定を行ない,次にRh式血液型の陰性,陽性の決定を行なう.輸血用血液は患者と同型のものを用いるのが原則であるから,そのように手配する.引きつづき患者の血液と輸血用血液(手引試験管)との反応を試験管内で行なう.これが交差適合試験であって,この試験には主試験と副試験がある.のちにもふれるように,保存血液については供血者の血液型抗体のスクリーニングを製造者側で行ない,副試験を省略しうるような動きが見え始めた.これと同じような意味で,病院側でも輸血の予定されている患者については,入院後できるだけ早く血液型決定とともに血清中の不規則性抗体の有無を調べ,もし抗体が検出されれば,早めに適合する血液を用意できるよう配慮することが望ましい。
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