グラフ
大腸菌の培養所見
高橋 昭三
1
1東京大学細菌学教室
pp.8-9
発行日 1957年4月15日
Published Date 1957/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905313
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乳糖を分解して,酸及びガスを形成するのが,大腸菌の特徴であり,それによつて,他の紬菌と区別する事が多い。腸内病原菌の検索の際には,大腸菌の集団,即ち糞便の中に混在して居る,大腸薗でない菌を,分離培地で培養してえらび出すわけである。即ち,大腸菌以外の集落から得た菌について系紡的な検査を行うわけである。したがって,大腸菌群が,どのような集落を作るかを知つて居る事は,腸内細菌検査の第一である。
遠藤培地上では赤い,BTA乳糖寒天上で黄色い集落を,デソキシコーレイト培地(DC培地),マツコンキー培地上では赤い,時には大きい集落から,まわりに胆汁酸塩の,レンガ色の沈澱の環を併う大きい集落を,EMB培地の上では赤紫色の集落を作る。EMB培地上では,大腸菌群中の,エロゲネスは,黒褐色の,金属光沢ある大きい集落を作る。第1図でみるとおり,やゝもり上り,光を反射して,キラリと光つて居る所から,この所見を記憶されるとよい。
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