今月の主題 染色体―検査と社会とのかかわり
社会とのかかわり
日本人類遺伝学会・臨床細胞遺伝学認定士制度
古山 順一
1,2
Jun-ichi FURUYAMA
1,2
1兵庫医科大学遺伝学講座
2兵庫医科大学先端医学研究所
キーワード:
染色体検査
,
資格認定
,
資格の効用
Keyword:
染色体検査
,
資格認定
,
資格の効用
pp.203-206
発行日 2001年2月15日
Published Date 2001/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904694
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1.はじめに
執筆依頼を受けたとき,臨床細胞遺伝学認定士(以下,認定士と略)制度について,日本人類遺伝学会の機関誌以外では紹介していないことに気が付いた.認定士は2001年4月1日には340名となるが,うち207名(6割)が臨床検査技師を中心とする技術者である.恒久制度で認定試験を受験して認定士になられた方はわずか18名であり,2000年度は2名しか受験していない(表1).受験資格に達していないか,資格はあるが受験を躊躇しておられるのか,事情は個々人,別々であろうが,躊躇しておられるとしたら勇気を出して受験していただきたい.恒久制度の認定試験において学力試験で不合格になった人は存在せず,実技試験で1名が不合格(後述)となっていて,技術者の受験者は全員合格である.
染色体検査は本制度が開始される以前から臨床検査施設では実施されていて,臨床細胞遺伝学認定士や指導士資格の有無は染色体検査とは直接関係がないような実態であるが,検査精度の維持・高揚のためには検査従事者が常日頃,勉学を怠らないことが不可欠である.認定士の取得,更新は染色体検査従事者にとって当然のことであり,今後報告書に検査担当者が認定士であることの明示とそれに伴う検査結果に対する責任と自覚を持っことが肝要である.
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