今月の主題 心筋梗塞の生化学的マーカー
心筋(細胞)逸脱酵素の臨床検査〔各論〕
LD1アイソザイム
岡部 紘明
1
,
杉内 博幸
2
,
宇治 義則
1
Hiroaki OKABE
1
,
Hiroyuki SUGIUCHI
2
,
Yoshinori UJI
1
1熊本大学医学部臨床検査医学
2熊本大学医学部附属病院中央検査部
キーワード:
LD1アイソザイム
,
心筋特異性酵素
,
心筋梗塞
Keyword:
LD1アイソザイム
,
心筋特異性酵素
,
心筋梗塞
pp.539-544
発行日 1996年5月15日
Published Date 1996/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902909
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LD1の臨床的意義についてまとめた.LD1アイソザイムは急性心筋梗塞の診断的価値が高く,血清LD1と総LD (LDT)はともに発症後上昇する.LD1はピーク到達後の消失がLDTよりも緩徐で高値を示す.胸痛発作後12時間以内のAMIの診断率はLD1よりもLD1LDT比の方が優れ,併用による6時間以内での感度・特異性はCK,CK-MBとほぼ同じで,12時間後では100%となる.陳旧性心筋梗塞(OMI)の40%にLD1の上昇が認められるが,狭心症では上昇しない.心筋壊死量はCK総流出量と相関性が高いが,LD1との相関も他の逸脱酵素よりも良く,再灌流の影響を受けにくいので発症後時間が経っても壊死量の計算が可能である.〔臨床検査 40:539-544,1996〕
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