今月の主題 糖鎖の異常
総説
糖タンパク質糖鎖の多様性とその生理的意義
奥山 隆
1
Takashi OKUYAMA
1
1中外製薬(株)学術本部
キーワード:
糖タンパク質
,
N―結合グリカン
,
セクレチンリガンド
Keyword:
糖タンパク質
,
N―結合グリカン
,
セクレチンリガンド
pp.5-17
発行日 1995年1月15日
Published Date 1995/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902327
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
われわれの生体にはさまざまな構造の糖鎖を結合した糖タンパク質が広く分布する.また同一の糖タンパク質でも,微細に糖鎖構造の異なる数種の分子集団から成る.このような多様性を展望しそれらの生理的意義を理解するために,まず,生体での糖タンパク質の多様な分布を一瞥し,その多様性を適正に把握するための方法論を述べ,またそのような多様性のゆえんである生合成機作をも要約した.これらの糖鎖の機能については,N―グリカンの機能として今日最も確かとみられるポリペプチド部のfoldingとのかかわりを述べ,糖タンパク質の多様性を論ずるうえで最も重要とみられるミクロヘテロジェニティについて考察し,最後に接着分子であるセレクチンリガンドの糖鎖をめぐり,高親和性を持った認識決定群を構築する糖鎖についての新しい視点を紹介した.〔臨床検査39:5-17,1995〕
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.