腎臓病の病理・10
血管系疾患(I)
坂口 弘
1
,
緒方 謙太郎
1
Hiroshi SAKAGUCHI
1
,
Kentaro OGATA
1
1慶應義塾大学医学部病理学教室
キーワード:
腎梗塞
,
腎硬化症
,
傍糸球体装置
,
腎血管性高血圧
,
Bartter症候群
Keyword:
腎梗塞
,
腎硬化症
,
傍糸球体装置
,
腎血管性高血圧
,
Bartter症候群
pp.1208-1215
発行日 1990年10月15日
Published Date 1990/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900296
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腎梗塞は,血栓症・塞栓症によって起こり,急性期は凝固壊死の像を呈し,次第に収縮し肉眼的にV字型の瘢痕を形成する.腎は高血圧によって主として血管系に病変を生ずるが,慢性の腎疾患や,腎動脈の閉塞などによって,続発性の高血圧が招来される.前者の代表として本態性高血圧に付随する(良性ないし悪性)腎硬化症がある.慢性腎不全時にみられる高血圧は,体液の貯留によるものが多いが,体液のコントロールによっても血圧が下がらないものがあり,これにはレニン・アンギオテンシン系が関与している.腎血管性高血圧も,レニン分泌が刺激されるために生ずるものである.
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