増大号 心電図判読のスタンダード 基本を極めて臨床で活かす!
2章 波形に注目—読み解くポイント
PR時間の異常
神田 茂孝
1
1医療法人社団岩田クリニック
キーワード:
WPW症候群
,
発作性上室頻拍
,
PSVT
,
偽性心室頻拍
,
カテーテルアブレーション
,
1度房室ブロック
Keyword:
WPW症候群
,
発作性上室頻拍
,
PSVT
,
偽性心室頻拍
,
カテーテルアブレーション
,
1度房室ブロック
pp.1155-1160
発行日 2024年10月15日
Published Date 2024/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203735
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
PQあるいはPR時間は,洞房結節から出た電気的興奮が心房内を経て房室結節およびHis束内を通過し,心室中隔上部の脚に相当する心室筋へ至るまでの時間である.そのため房室伝導時間とも呼ばれ,そのほとんどが房室結節内通過時間で占められている.その正常範囲は120〜200msec(心電図の3〜5コマ)までであり(図1),その短縮でも延長でも異常とされる.PQあるいはPR時間の測定については,心電図上P波からQRS群がQ波で始まっていればQ波までのPQ時間であり,またQ波を認めずR波で始まっていればR波までのPR時間である.特に下壁誘導(Ⅱ・Ⅲ・aVF誘導)ではQRS群の波形にバリエーションが多く(図2),PQ時間とPR時間は双方同義であるため本稿ではPR時間と表記することとする.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.