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今月の特集2 臨床検査で患者を救え!—知っておいてほしい疾患
重度で長期の甲状腺機能低下症
Severe and long-term hypothyroidism
越智 可奈子
1,2
,
中野 靖浩
2
,
原田 洸
2
,
長谷川 功
2
,
大塚 文男
2
1岡山大学学術研究院医歯薬学域医療教育センター
2岡山大学学術研究院医歯薬学域総合内科学
キーワード:
甲状腺機能低下症
,
粘液水腫性昏睡
,
意識障害
,
慢性甲状腺炎
,
レボチロキシンナトリウム水和物
,
チラーヂン®
Keyword:
甲状腺機能低下症
,
粘液水腫性昏睡
,
意識障害
,
慢性甲状腺炎
,
レボチロキシンナトリウム水和物
,
チラーヂン®
pp.246-253
発行日 2023年3月15日
Published Date 2023/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203251
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はじめに—症例の背景
甲状腺機能低下症は,体内において甲状腺ホルモンの作用が低下した病態であり,原因はさまざまであるが(表1)1),慢性甲状腺炎(橋本病)をはじめとした甲状腺機能低下症は頻度が比較的高く(0.24〜0.69%)2),日常診療でも遭遇する機会の多い疾患である.甲状腺機能低下症は慢性的な経過をたどることが多く,また,自覚症状も非特異的なものが多いため,本症を疑って検査を行わなければ診断に至らないことも多い.
甲状腺機能低下症の症例は,適切な治療介入を行えば良好な経過をたどるものがほとんどではある.しかし,甲状腺機能低下症のなかにはまれではあるが重症化および全身状態の急激な悪化を認める病態がある.本稿で症例を提示して概説する.
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