増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか
2章 血球形態
抗凝固剤(EDTA)による骨髄標本の形態変化
大畑 雅彦
1
,
高崎 将一
2
,
朝比奈 彩
2
1前 横浜市立大学附属病院臨床検査部
2静岡赤十字病院検査部
キーワード:
抗凝固剤
,
EDTA
,
時間・濃度依存性
,
核クロマチン結節異常
,
核形・核膜不整
,
色調変化
Keyword:
抗凝固剤
,
EDTA
,
時間・濃度依存性
,
核クロマチン結節異常
,
核形・核膜不整
,
色調変化
pp.1136-1139
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203119
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はじめに
骨髄穿刺塗抹標本は生標本が望ましいが,検査室の対応,特に人的環境などの要因からエチレンジアミン四酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid:EDTA)加骨髄液を用いる施設もある.最近,関連学会から一般的な造血細胞の標準化が報告され,形態学的特徴の整理がされている1).しかし,その標準化には標本作製の条件が一致していること,さらに背景として抗凝固剤入り骨髄液の影響について十分に把握していることも重要である.
筆者は以前からEDTA加骨髄塗抹標本における細胞形態への影響2,3)を検討し,論じてきた4).本稿では,これらの知見を紹介し“EDTA加骨髄液の功と罪”を整理したい.
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