増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ
Ⅲ章 報告前に必要なチェック
〔生化学検査〕
薬物・毒物
宮城 博幸
1
1杏林大学医学部付属病院臨床検査部薬毒物分析室
pp.1228-1231
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200581
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緊急性
一般的に薬物・毒物検査を当直で行う場合,2つの目的に大別される.1つは,汎用機器を用いた治療薬物モニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)を目的とする検査であり,もう1つは,救急外来などを受診した患者が薬物・毒物によって急性中毒を起こしているか否かの鑑別診断を目的とする検査である.
TDMを目的とする検査では,薬物ごとに定められている有効血中濃度の範囲内に検査値が入っていることが重要となる.低値の場合は薬物の効果が期待できないことによる症状の悪化を,高値の場合は腎不全・心不全などの薬物による各種副作用症状を引き起こす危険性がある.
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