増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ
序
山内 一由
1
1筑波大学医学医療系
pp.1039
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200546
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臨床検査では,夜間や休日に行う時間外緊急検査を称して“当直”と呼んでいます.当直業務の難しさは,普段は専門としていない検査をスペシャリストと遜色なく全うしなければならないという点にあります.さらに,人命に直結し,決して失敗が許されないという緊迫感がその難易度をいっそう高めます.どんなにベテランであっても,不安や緊張は少なからずパフォーマンスを低下させるからです.担当者の精神的負担を軽減して,安全で信頼性の高い時間外緊急検査を提供するためには,ミスが起きにくい盤石な検査体制を構築することに加えて,傍らにおいていつでも手軽に参照することができるマニュアルを備えておくことが肝要です.
本増刊号の基本コンセプトは“実用性の高いマニュアル本”です.緊急検査のエッセンスをできる限り図表にまとめることによって,瞬時の判断が求められる状況下でも安全かつ質の高い検査を行えるように配慮しました.加えて,時間内検査と時間外検査との間にある,本来あってはならないギャップを少しでも埋めることができたらという願いを込めて,これまでの当直マニュアルでは取り上げてこなかった項目や事柄についてもプラスαとして盛り込みました.なかには,“そんなこと,当直時には必要ない!”と反論を受けるかもしれない事項も含まれていますが,そこには前述の願いが込められているのだとご理解ください.
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