Japanese
English
海外文献紹介
原子間力顕微鏡によるDNA分子における紫外線損傷の検出
Detecting ultraviolet damage in single DNA molecules by atomic force microscopy
鈴木 優治
1
1埼玉県立大学短期大学部
キーワード:
原子間力顕微鏡
,
DNA分子
,
紫外線損傷
Keyword:
原子間力顕微鏡
,
DNA分子
,
紫外線損傷
pp.22
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101509
- フリーアクセス
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
著者らは原子間力顕微鏡(atomic force microscope;AFM)を用いた分子レベルでの DNA における紫外線(UV)損傷の検出および定量について検討した.AFM画像と超螺旋プラスミド弛緩分析とを組み合わせることにより,中波長紫外線(UVB)および短波長紫外線(UVC)の高照射は環状ブタンピリミジン二量体(CPDS)を生成するのみならず,著しい DNA の分解を引き起こすことがわかった.特に,12.5kJ/m2 のUVC および 165kJ/m2 の UVB はそれぞれ pUC18 超螺旋プラスミドの 95% および 78% を直接弛緩させた.また,超螺旋プラスミド弛緩分析と光照射したプラスミドの T4エンドヌクレアーゼ V 処理および低UVB照射により引き起こされる損傷を検出するための弛緩のAFM画像を組み合わせることにより,極低UVB照射では CPDS 分子数と UVB 照射量にはほぼ直線関係があることがわかった.これらの AFM による結果は UV 照射およびエンドヌクレアーゼ処理のプラスミドのアガロースゲル電気泳動により証明できた.AFM とゲル電気泳動法の結果は他の従来法を用いて得られた,これまでの結果と一致していた.AFM は UV による DNA 損傷を高分解測定する従来法を補完できると考えられた.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.