特集 病院医療—21世紀への遺産
21世紀—患者(消費者)主体の医療をどう展開するか
日本結核病院協会
遠山 正道
1,2
1日本結核病院協会
2佐倉厚生園
pp.1053-1055
発行日 2000年12月1日
Published Date 2000/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903150
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わが国では諸外国に比し,病気やけがの軽重を問わず,ひいては老人介護まで,病院を親しみのある身近な存在としてとらえてきた.それとうらはらに,かつてほとんど誰もが身内に結核死亡者や長期療養者がいたものだが,昨今では結核病院が一般消費者にとって極めて縁の薄い存在になってしまった.
結核は全世界で毎年800万人以上が発病し,300万人以上の命を奪っている最大の伝染病であり,1993年には,WHOが「結核非常事態宣言」を行い,1996年には「結核は復活しただけでなく,歴史的に最悪の事態である」と世界に警告した.わが国でも,いまだに毎年4万数千人が発病し,約3,000人が亡くなっていることを国民の多くは知らない.
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