病院協会
日本病院協会だより
pp.703-704
発行日 1958年8月1日
Published Date 1958/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201404
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I.
昨年10月5日,日本病院協会は,東京駿河台,山の上ホテルにおいて,臨時総会を開き,(1)厚生省案甲表の主旨に賛成し,(2)乙表はその存在を妨げない,旨の決議を行つた。その後,9カ月,幾多の迂余曲折を経たが協会が終始1貫して,合理化のための,確乎たる,その主張をまげなかつたことは,執行部,代議員会,その他会員大多数の一糸乱れない,団結と信念との結果に他ならない。斯くて,値上げのわくの大幅な拡大の一点を除外して,他の諸点においては,日病決議の趣旨の通りの,10月1日よりの健康保険診療費改訂が,厚生省告示第177号を以て6月30日公布された。このことは,明治以降今日にいたる,医療報酬の観念に,根本的な変更を加えた,国民医療史上における大革命である。既往を顧みて感慨なきを得ない。告示された算定方法によると,甲表(いわゆる合理化案)は,厚生省原案に対して,日病その他が,幾多の手直しを加えたものであつて,8.5%の値上げ,今後の国民医療の方向を決定づけるものであり,乙表は,原案に対して,日医が修正を施したものであつて,同じく8.5%の値上げ原案との差において,最大のものは,甲,乙両地の地域差を,原案において5%のものを8%に拡げた点にある。このことは,乙表に対しては,その存在を妨げないと云う程度の意思表示しかしていない,わが日病としても,甲,乙地域差の撤廃を,年来の主張としている,その立場から,不満なきを得ない点ではある。
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