研究と報告
火災に関するマニュアルの作成とその運用結果について
村山 国男
1
,
田﨑 和子
2
,
澁谷 統寿
3
,
田渕 純宏
3
Kunio MURAYAMA
1
,
Kazuko TAZAKI
2
,
Noritoshi SHIBUYA
3
,
Sumihiro TABUCHI
3
1国立佐賀病院会計課
2国立療養所沖縄病院看護部
3国立療養所川棚病院
pp.164-167
発行日 1991年2月1日
Published Date 1991/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900862
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医療の現場に勤務する医師や看護婦にとっては,病院における災害(事故を含む,以下同じ)とは,おおむね医療行為中に発生する大小の災害のことであって,自然災害や火災への認識は極めて低いといえよう.それは専門職としての本来の業務内容から考えると当然のことと言えるが,患者対策などの病院管理上から考えるとき,自然災害や火災についての対策も,これと同様に重要であることは言をまたない.
この報告のモデル施設である国立療養所川棚病院(以下「当院」という)の場合,他の病院に比べて,収容患者の看護介助度,生活の不自由度が高く,災害時,特に火災時の対応が心配されてきた.年2回実施している消防訓練にしても,現場の実情に疎い事務部門が,消防署への対応のために義務的に行っていたきらいもあり,現に看護部門職員へのアンケート調査によれば約80%の職員が効果がないとしている.われわれは,このような認識のもとに,職員の防災意識の高揚を図ることを目的として,①「火災に関するマニュアル」の作成と,マニュアルに基づいた訓練を行い,②職員の火災への意識づけが,どの程度行われたかを計る目的でアンケート調査を行った.
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