看護業務改善事例集
搬送カートの導入による注射薬準備業務の改善
島田 陽子
1
,
鈴木 妙子
2
,
高橋 弘充
3
,
中村 礼子
2
1東京医科歯科大学医学部附属病院看護部
2東京医科歯科大学医学部附属病院
3東京医科歯科大学医学部附属病院病棟薬剤部
pp.927-929
発行日 1993年10月1日
Published Date 1993/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900488
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はじめに
病院において看護婦は様々な業務を担っているが,その中でも注射薬の準備は,時間がかかり,かつ清潔性や正確性が求められる業務のひとつである.輸液の準備は,病院によっても異なるが,医師のオーダー内容を確認し,オーダーに従って輸液ボトルや混注する薬品を薬品棚から取り出し,それらをオーダーと照合して混注し,輸液セットをボトルにつけるなどの一連の作業を伴う業務である.またこのほかに,病棟で多くの薬剤を蓄えておくため,毎日薬品を請求したり,使用期限のチェック,薬品棚の整理なども多くの時間を費やして行っている.狭い病棟やスタッフステーションの中で,薬品を置くための棚が広いスペースを占領していることも珍しくない.
当院(表1)でも,このような状況の中で注射薬の準備が行われてきたが,薬剤師による服薬指導業務,いわゆる400点業務の導入を契機に,従来の方法(病棟毎に定数配置された薬品の中から看護婦が患者毎に輸液ボトルと混注する薬品を準備する方法)から,薬剤部で患者毎に準備した薬品を注射薬搬送カートを用いて各病棟に供給する方法に改められた.看護部と薬剤部との協力体制のもとでこの患者別注射薬供給方法が導入されたことによって,看護婦の注射薬準備に関わる業務が大幅に省略され,かつ薬品管理の向上が図られるようになった.当院におけるこのような変化の成果について報告する.
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