特集 社会保障制度の未来から読む病院経営
病院の視点から
社会保障制度と不可分な病院経営のサステナビリティ
今村 英仁
1
1公益財団法人慈愛会
キーワード:
サステナビリティ
,
ポジショニング
,
武見プログラム
,
医療経営の日米比較
Keyword:
サステナビリティ
,
ポジショニング
,
武見プログラム
,
医療経営の日米比較
pp.55-57
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211846
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■はじめに:病院経営者としてのバックグラウンド
日本では社会保障制度と切り離して病院経営を行うのは不可能である.本稿では,筆者が病院経営をどのような考え方で行っているか,その中で,社会保障制度との関係をどのように捉えているかについて記載する.
筆者が理事長を務める法人(公益財団法人慈愛会)は,2022年で1934(昭和9)年の創設以来88年目を迎えた.初代理事長は筆者の祖父であり,2代目理事長の父を経て,3代目として事業を引き継いだ.日本の多くの民間病院の成り立ちと同じく,個人診療所から始まり,病院としたのち,法人化を経て,いくつかの事業所数が増え現在の形となっている.
法人化は,1950(昭和25)年に初代理事長が財団法人とした.同年に医療法で医療法人制度が制定されたが,初代理事長はその情報を持ち合わせていなかったので,民法上の公益法人制度を申請したとのことである.筆者が経営に携わったときには既に,鹿児島市内に3病院と奄美諸島の離島に2病院が設立されており,筆者が新たに設立した施設は,1996(平成8)年に鹿児島市内に開設した介護老人保健施設のみである.
以上の背景から筆者の病院経営の目標は当初から法人のサステナビリティ(事業持続性)注1においている.
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