連載 事例と財務から読み解く 地域に根差した中小病院の経営・22
病院経営状況の推移
林 和希
1
1独立行政法人福祉医療機構 経営サポートセンター リサーチグループ
pp.536-541
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211228
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●はじめに
本稿を執筆している2020(令和2)年4月は新型コロナウイルス感染症による新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の前後の時期で,感染拡大防止の観点から取材を自粛していた.このため,今回および次回は,個別事例に代えて,病院の経営状況全般について紹介することでご容赦いただきたい.
独立行政法人福祉医療機構(以下,WAM)では,1991(平成3)年度以降30年にわたって貸付先からの事業報告を基に病院の経営分析参考指標を作成してきた.WAMの貸付先は,医療法人が主体で病床200〜300床規模の中小病院が多いという特徴がある.
医療制度・診療報酬制度や指標作成基準の変更,融資対象の属性変化などの影響もあるが,長期の連続した経営指標の推移は,一般病院(全病床に占める一般病床が占める割合が50%超)に係るマクロの経営状況の推移を把握する上で参考になるため紹介したい.
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