建築と設備 第12回
西太平洋地域諸国の医療保健施設—WHO地域会議
伊藤 誠
1
Makoto ITOH
1
1千葉大学工学部建築学科
pp.329-333
発行日 1987年4月1日
Published Date 1987/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209045
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■はじめに
最近,日本の建築家による海外での医療保健施設計画の話が方々で聞かれる.日本病院建築協会が,1985年,会員に対して行ったアンケートの結果を見ても28件の計画が報告されており,地域としては広くアジアから中近東,アフリカ,南米にまでわたっている(うち一部は本誌45巻6号−1986年6月のこの欄にも紹介されている).それらの大半はJICA (国際協力事業団)による無償援助に関係したものであるが,中には相手国政府から直接依頼を受け,企業ベースで実現をみたものもある.言うまでもなく,対象はほとんどすべて発展途上国である.
このような背景のもとで,日本病院建築協会の中に,国内にだけ眼を向けていた従来の姿勢を改め,より広く世界的な視野をもって活動を展開すべきだという声が出てきた.討議の結果,定款第3条に協会の目的として「この法人はわが国病院建築関係者の力を結集して,わが国病院建築技術の水準向上に寄与することを目的とする」とあったのを,傍点部を削除して活動範囲を拡大するように改め,かつ内部に国際委員会を設けてこの問題に正面から取り組むこととした.
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